リサーチ

研究分野

化学工学 エネルギー工学 反応工学 触媒化学

研究キーワード

グリーン水素 エネルギーキャリア 燃料電池 電解合成 固体触媒 電極触媒

主な研究テーマ

アンモニアの電解的合成法の研究

アンモニアは容易に液化できるため輸送や貯蔵に適し、また火力発電所の燃料や燃料電池の燃料として利用した際にCO2を発生しません。再生可能エネルギーを利用してアンモニアを合成できれば、CO2を発生しないグリーンエネルギー源となります。アンモニアは工業的には高温高圧(500℃、200気圧程度)の連続プロセスで生産されます。変動が大きく間欠的な再生可能エネルギーを利用するには、新しいアンモニア合成プロセスの開発が必要となります。当研究室では、プロトン(H+)が通る材料を用いた電気分解セルを作成し、水と窒素からのアンモニア合成プロセスの開発を行っています。水の電気分解において、水素が発生する電極に窒素を流して、直接プロトンと窒素を反応させることでアンモニアを合成します。これまでに常圧220℃でのアンモニア合成に成功しており、アンモニア合成電極触媒の研究開発を進めることで、高いアンモニア合成効率の達成を目指しています。

CO2水素化による有用化学物質合成の研究

持続可能性の高い社会システムを構築するためには、限りある化石資源を有効に利用すること、また化石資源に頼らない原料やエネルギー源から化石資源代替物を製造することが課題です。政府は2020年10月に、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させるゼロ・エミッションを2050年までに目指すことを宣言しました。2021年末に開催された国連気候変動枠組条約第26回締約国会合(COP26)においても議論に上がったように、ゼロ・エミッション社会の実現に向けた世界的な潮流があります。その中で、燃焼排ガスなどから回収したCO2を原料として燃料や化学品などを製造し、有効に利用する技術、すなわちCarbon dioxide Capture and Utilization(CCU:CO2回収・利用)に注目が集まっています。上に再生可能エネルギーを活用したCO2有用物質変換プロセスの概略図を示しています。まず、再生可能エネルギーを活用した水電解により水素を製造します。次に、CO2を燃焼排ガスなどから分離・回収します。そして、水素とCO2を触媒反応器内で反応させ、有用物質を製造します。当研究室ではこれまで、メタン、メタノール、ジメチルエーテル、オレフィンなどを選択的に製造するCO2水素化触媒の開発研究を進めてきました。

水素製造方法の研究

低級炭化水素の有用化学物質への電気化学的変換法の研究


エネルギーキャリア直接発電燃料電池の研究